はじめに
埼玉県の私立高校受験において、志望校への合格を確実にするために多くの受験生が利用する「確約制度」。
この制度は、受験前に特定の基準を満たしていることを高校に示すことで、事実上の合格保証を得られる仕組みです。
しかし、「確約制度とは具体的にどのようなものなのか?」「どのように活用すればよいのか?」など、多くの疑問があることでしょう。
本記事では、確約制度の仕組みや特徴を詳しく解説し、受験生や保護者の皆様が正しく理解できるように情報を提供します。
1. 確約制度とは?
1-1. 確約制度の基本的な仕組み
確約制度とは、高校の個別相談会において、一定の成績基準を満たしている受験生に対して「合格の確約」を与える制度です。
具体的には、以下のような流れで進みます。
- 北辰テストや通知表の成績を準備する
- 高校の個別相談会に参加し、成績を提示
- 学校側から「この成績なら合格できます」と口頭または書面で通知
- 正式に願書を提出し、試験を受ける
- 試験で大きな失敗をしなければ、合格がほぼ確定する
このように、確約を得られることで受験のプレッシャーが軽減され、安心して入試に臨むことができます。
1-2. 確約制度は公式な制度なのか?
埼玉県の確約制度は、文部科学省が公式に認めた制度ではありません。
各私立高校が独自に運用している仕組みであり、実際には「事前に合格可能性を示すもの」として機能しています。
そのため、確約を得たとしても、正式な「合格通知」ではないことを理解しておく必要があります。
また、各高校によって運用方法が異なるため、必ず個別相談会で詳細を確認しましょう。
2. 確約制度がある私立高校と対象校の特徴
埼玉県内で確約制度を実施している私立高校は多数ありますが、特に以下のような学校が確約を活用しています。
2-1. 確約を実施している主な私立高校
- 浦和学院高等学校
- 武南高等学校
- 栄東高等学校
- 開智高等学校
- 西武学園文理高等学校
- 大宮開成高等学校
これらの学校では、北辰テストの偏差値や中学校の内申点に基づき、確約を出す基準を設けています。
2-2. 確約制度が適用されるケース
確約制度は、主に**「単願」または「併願」受験**の際に利用されます。
- 単願確約:
→ 私立高校を第一志望として受験する場合。合格すれば必ず入学する必要がある。 - 併願確約:
→ 第一志望は公立高校だが、滑り止めとして確約を取得する場合。公立高校に不合格になった際に進学。
併願確約の場合は、確約を得ていたとしても、公立高校の結果が出るまで手続きが延長できるのが特徴です。
3. 確約をもらうための基本的な条件
確約を得るためには、学校ごとに異なる基準をクリアする必要があります。
一般的には、以下の2つの成績基準が重要視されます。
3-1. 北辰テストの偏差値
- 偏差値45~50 → 一般的な私立高校で確約の対象
- 偏差値50~55 → 中堅私立高校での確約が可能
- 偏差値55以上 → 難関私立高校でも確約が取れる可能性が高い
北辰テストは年間6回実施されるため、成績が上がるたびに個別相談会で最新の結果を持参することが大切です。
3-2. 内申点(通知表の成績)
- 9教科の合計が27以上(5段階評価)
- 主要5教科で16以上
- 3教科合計9以上
通知表の成績も重要な判断基準となるため、日々の学校の授業や定期テスト対策も欠かせません。
4. 確約を活用するメリットと注意点
4-1. 確約制度のメリット
- 精神的な安心感:合格の可能性が高まることで、受験のプレッシャーが軽減される
- 受験戦略の立てやすさ:第一志望が公立高校の場合でも、滑り止めとして確約を確保できる
- 試験対策の効率化:確約があれば、他の受験科目や公立高校対策に集中できる
4-2. 確約制度の注意点
- 試験当日の失敗で不合格の可能性もある
- 確約基準が年度ごとに変更される可能性がある
- 高校ごとに基準が異なるため、個別相談で詳細を確認する必要がある
5. まとめ
埼玉県の私立高校確約制度は、受験生にとって非常に有益な制度ですが、確約をもらうことが最終目標ではなく、合格を勝ち取るための戦略の一部であるという点を忘れてはいけません。
- 確約をもらうには、北辰テストと通知表の成績が重要
- 個別相談会への参加が確約取得のカギ
- 試験当日のミスがないよう、受験対策は継続する